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臨検特措法の成立に抗議声明

臨検特措法の成立に強く抗議し、日本が戦争挑発国家への道を突き進むことに反対する市民の声明

 井上澄夫(埼玉県新座市、沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック)
 加賀谷いそみ(秋田県男鹿市、男鹿の自然に学ぶ会)    
 奥田恭子(愛媛県松山市、心に刻む集会・四国)  
 廣崎リュウ(山口県下関市、下関のことばと行動をつなぐ『海』編集委員)
   
                  2010年6月2日 

 
私たちは、「国際連合安全保障理事会決議第1874号等を踏まえ我が国が実施する貨物検査等に関する特別措置法案」(以下、臨検特措法案と表記)が国会で成立したことに、強い抗議と深い憂慮を表明する。

 鳩山政権が昨年(2009年)10月30日、衆議院に提出した臨検特措法案は、去る5月28日、参議院本会議で可決され成立した。衆議院提出後、ずっと店ざらし状態だった同法案は5月19日、突如、衆院国土交通委員会で与党3党と公明党の賛成多数で可決、翌20日、同本会議で与党3党と公明党などの賛成多数で可決され、ただちに参院に送られた。そして参院の国土交通委員会で5月27日、与党と公明党の賛成多数で可決され、翌28日、本会議において与党と公明党の賛成多数で可決・成立させられた。

 このいきさつが示すように、臨検特措法は両院の国土交通委員会と本会議でろくに審議されず、あわただしく成立させられた。ろくに審議されずという点で、私たちは2001年の〈9・11〉直後、当時の小泉政権が強引にテロ対策特措法を成立させた政治手法を想起せざるをえないが、その時点では国会の動向は世論の注目するところだった。だが今回の臨検特措法については法案の存在自体が世論にほとんど忘れられていた。

 ここで私たちは同法案の突然の審議が卑劣な政治計算に基づいていたことを指摘しなければならない。衆院での審議は、去る3月26日の韓国軍哨戒艦「天安号」の沈没が「朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の魚雷」によるという韓米主導のキャンペーンが始まる時期だった。衆院での可決は、まさに韓国政府が組織した「国際」軍民合同調査団が最終報告書を発表するのと同時になされたのである。鳩山首相はただちに同調査団の主張を鵜呑みにし、北朝鮮非難のコメントを発表した。そして韓米日が一体となって北朝鮮叩きの騒々しいキャンペーンが始まった。

 参院での審議は世論の強い関心が日米両政府による在沖縄米海兵隊普天間基地の移設先合意に集まっている最中(さなか)、電撃的に強行され瞬時に終わった。つまり衆院での審議は「天安号」沈没事件の「調査結果」発表によるキャンペーンを追い風に、参院での審議は世論の関心を普天間移設問題に向けさせ、その陰で行なわれたのである。

 5月23日に沖縄を再訪問した鳩山首相は米海兵隊を沖縄に駐留させ続ける根拠として最近の朝鮮半島の情勢を挙げた。「最低でも県外」の公約を踏みにじり姑息な後出しの理由付けで沖縄差別に居直る彼は、麻生前政権が提出した臨検特措法案が衆院解散で廃案になったとき、政権を取れば必ず成立させると宣言したその人である。彼は、普天間辺野古移設の日米共同声明の発表および政府方針の策定と、臨検特措法の成立とを、同じ5月28日、同時に強行した。

臨検特措法を成立させたのが民主・社民・国民新・公明の各党であることを私たちは決して忘れない。北朝鮮に出入りする船舶が海上保安庁による臨検の対象となり、戦争の火種となる危険が高まるとき、民主・社民・国民新・公明各党の責任は歴史の正面に浮上することになるだろう。

衆院で問題の法案が可決され参院に送られたとき、私たちは5月21日付で「衆議院における臨検特措法の可決に強く抗議し、参議院が同法を成立させないことを求める声明」を発表し、そこで次のように主張した。

<日本国憲法第9条は第1項で「戦争の放棄」を定めている。それは戦争のみならず戦争を誘発しかねない一切の行為を政府に固く禁じていると解すべきである。戦争の火種となりうるすべての行為が厳禁されているのだ。〉

そして「天安号」沈没事件をきっかけとする韓米日のキャンペーンについてこう主張した。
 
<どこまでも9条の実現を求める私たちはその動きに同調しない。問題の冷静で平和的な解決を初めから放棄して、朝鮮半島の軍事的緊張が高まることに乗じ、戦争の火種を用意する臨検特措法を成立させるのは、火に油を注ぐことであり、まさに犯罪的な愚行と言わざるを得ない。>

 同じ主張を私たちは再び繰り返したい。

 臨検特措法が成立した5月28日、日本政府は閣議で北朝鮮に対する追加制裁措置を決定した。そしてその翌日29日から30日にかけて、海上保安庁は東京湾で観閲式と総合訓練を実施した。そこには海上保安庁の巡視船艇、海上自衛隊の護衛艦、警察、消防、税関などの船艇42隻と航空機19機が参加し、テロやシージャックに対応する特殊警備隊(SST)が初めて訓練を公開した。 (* 下記)

SSTの訓練の公開について海上保安庁関係者はこうあけすけに語っている。臨検特措
法が成立し、「検査するのが海保で大丈夫なのかとの声があり、能力をアピールするのが狙い」(5月29日付『時事通信』)。近年、海上保安庁の船艇は武装を強化しつつある。公海での臨検によって東アジアの軍事的緊張を高めるのは、日本国憲法の前文と9条を踏みにじることにほかならない。

 臨検特措法は、海上保安庁が対象船舶を停止させ、「北朝鮮特定貨物」があることを確認したときは、その貨物の「提出」を命令し「保管」するだけではなく、船長などに日本の港およびその他の場所に「回航」することを「命ずる」ことさえ認めている。

そのような強制措置がどういう事態を引き起こすか、パレスチナ自治区ガザに向けて救援物資を運んでいた人権団体活動家らの国際支援船団を武力を行使して拿捕(だほ)しようとしたイスラエル軍が5月31日、地中海で起こした虐殺事件を見るだけで明らかではないか。

 臨検特措法の審議にあたって、前原国土交通相は「一義的に仕事をするのは海上保安庁だが、万が一、激しい抵抗にあった場合、自衛隊に海上警備行動を発令するという判断は否定していない」とのべた。臨検特措法は自衛隊法との連動を前提として制定されたのである。

 私たちは日本政府に対し臨検特措法を発動せず、同法を廃止することを要求する。最後に私たちは、憲法9条の絶対平和主義に基づいて、日本が戦争挑発国家への道を突き進むことを阻むために、今後も努力を続けることを宣言する。

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