片山貴夫のブログ

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メモ9 湯浅誠は累進課税をタブーにしている

 
 ブログ『世に倦む日日』で引用されていますが、『経済成長って何で必要なんだろう』(光文社)の湯浅誠の発言に注目しました。

「そこは戦略的に運んでいます。累進の話をあまり言うと、中間層を敵に回しますからね。それは結局、先ほど言った中間層の分離に関わってきます。自分自身の生活がきつくなっていけばいくほど、彼は成功者に憧れ、下には厳しくなる。『成功せねばならない。自分に投資して何とか生き残らなきゃならない』というふううに。そうやって頭と体が分かれていくので、累進課税の復帰とかを言うと、一番過剰に反応するのは中間層になってしまう。もちろん私も、累進課税強化がいいと思います。だけど、いまその話をすると、『おまえは共産党か』とレッテルを貼られる。そこには国会の勢力図だけじゃなくて、それを支持する中間層の動きがある。だから、私がいの一番に累進課税を言えないのは、戦略的な問題です」(P.191-192)。

 前掲ブログ主の立場について、片山は支持していませんが、(民主党政権で内閣府参与に採用された)湯浅誠が政府内で努力したとしても、富者に有利な現行の累進課税を少しでも引き上げない限り、民主党政権について、わずかでも「社会民主主義」・「改良主義」の要素ありと形容することなど(貧困層の労働者階級の立場では)したくないとおもいます。
 前掲著作のようすでは、湯浅氏が政府の中で累進課税引き上げを提言する可能性は全く無かったでしょう。
 富者への累進課税に今の「大衆」は反対している(ようにおもえる)からといって、中間層の反動的な意識に迎合するというのは、よりいっそう傲慢な小ブル・インテリの態度でしょう。
 「格差是正」といっても、富者である総資本から収奪・再分配しないのであれば、民主党のマニフェスト(の内、よく見える部分)が文字通りに実行されたとしても、「労働者階級の間での格差是正」にとどまるものと思います。
 総資本(資本家総て)と総労働(労働者総て)の力関係を押し戻さない限り、「改良」にはなりません。
 『経済成長って何で必要なんだろう』(光文社)という本を読む限り、湯浅氏の提起する「格差是正」も、現実的には、新自由主義を「左」から補完するものになってしまうでしょう。


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